−在日中国人の婚姻を中心にして−
過 放(神戸大学)
華僑華人研究を含め、これまでのエスニシティ研究は、経済や民族、国家の枠組みでとらえるものが多い。本報告では、日本に移り、とくに定住、国際結婚などの形で住み着く在日外国人(中国人)を中心にし、ジェンダーの視角から日本社会におけるエスニシティ関係について考察する。ジェンダーとは男性と女性の生物学的差異にもとづく性別−「性(sex)」と違い、生物学的差異に関連する形で社会的・文化的に作られた性別−「ジェンダー(gender)」を指す。エスニシティ研究におけるジェンダー問題は、ふだん国家間(政治・法)、民族間(社会・文化)摩擦の形で現れたり、またはその背後に隠れたりするので、人々は見逃しがちである。本報告では、在日中国人社会の歴史を辿りながら、移住とジェンダーの問題について述べる。
報告は、下のように行う予定である。
1.問題提起
2.在日中国人の婚姻小史とその特徴
3.国際結婚の歴史とその変遷
4.在日中国人の人口変動にみるジェンダーとエスニシティ
5.まとめ
詳しいレジュメは、当日配布いたします。