若林敬子研究室『人口と環境−3年間成果論文集』【途上地域人口社会学研究報告書No.4】
この小冊子は、若林研究室に属し、学んできた17人全員の修士論文(内4人の学部卒業論文要約を含む)等、3年間の成果論文を一定度に縮小し、まとめたものです(中略)さて、本小冊子の内容構成ですが、中国の人口問題研究を主柱にした以下の3分野にわかれましょう。周知の通り、中国において人口と環境の間邁は、国策としてとりくまれている最重要課遣であり、社会保障改革など人口社会学への期待は絶大であります。その第1は、一人っ子政策開始23年が経過し、今後の急速なる人口高齢化と社会保障制度改革の課慈。第2は、大都市への人口流動、砂漠化など生態環境問選への日本NGO援助活動。第3は世界のイスラーム系人口の大爆発を視野に含みいれた新蛮ウイグル自治区における民族人口閑寂、とりわけ第3につきましては、2001年度前期に研究室全員でとりくんできたテーマでもあります。
続いて日本の課題につきましては、第1は戦後地域開発の出発点ともなった佐久間ダム建設により村の中心部が水没、その後急速なる過疎化の進行により本土最少人口200人の独立村として存続する愛知県富山村の変動。第2は東京湾の埋立開発と環境問題−浦安、三番瀬、館山のサンゴ、横浜港と計5回にわたる実地調査を行ってきました。第3は沖縄調査2回につきましては、別に研究報告集として作成、日本の人口問題も含め、研究室全員で調査にでかけてとりくみました。(「はしがき」より)